もう2月になりましたね!
もうすぐバレンタイン!!🖤
スタろんです
今回はバレンタイン間際なので
チョコレートの事を取り上げようかと考えていました。が!!
それよりも重大な事態が発生しました!
先月のニュースです。
驚きました!
『嘘、嘘でしょ?』
なにが驚いたと言えば
書類送検
ですよ!!、、、、、
以前に私のブログでパティシエの過度な労働環境はお伝えしましたが
こちらで確認してね!↓
https://staronpatis.com/urban-cake-shop/
まさか書類送検とは、、、
小山シェフのお店、エス・コヤマは
売り上げにしても忙しさにしても全国間違いなくトップ3には入ります=_=
なので労働時間が長くなってしまうのはある程度仕方ない事ですが、さすがに
月342時間(TT)
はやり過ぎですね。。弁護出来ません。。
ではなぜこんな事になってしまったのか?
なぜ止める事が出来なかったのか?
渦中のパティシエは一体どんな状態なのか?
小山シェフを尊敬して止まない私としてとても言い難いですが
今後の未来あるパティシエの為にも!
スイーツ業界の為にも!
お菓子業界を悪いイメージを持たれない為にも!
赤裸々に語りたいと思います!(*_*)
目次
まず第一に洋菓子作りはすべてに時間がかかる
私のブログでも何度か取り上げていますし
最近は世間一般でもTVやYouTubeでパティシエの仕事内容を取り上げているのでなんとなくパティシエの仕事がハードなのはご想像出来ると思います。
今回はそれを詳しく順を追って見ていきましょう。
1.ケーキを仕上げるのに半日かかる
パティシエである私は当たり前な事なんですが、生ケーキを全種類仕上げるのに
昼過ぎまでかかるのが普通
なんですよ=_=
だいたい朝7時くらいから開始して昼の13時くらい(繁盛店では14時、15時までかかる)
そりゃこんなケーキばかり仕上げしてたら時間がかかります。
それが終わったらパティシエの仕事の半分は終わった感じです。
マジでホットします。
衛生面、細かい作業の連続なので本当に神経を使いますからね(+_+)
だいたい仕上げが終わって昼休みにします。
2.ケーキ仕込み開始がどうしても遅くなる
昼休みを取ってもう14時くらい。
さて、明日のケーキの仕込みを開始したいところですが
当然ケーキは店に出せば売れていきます。
当然追加のケーキを作らないといけません。
更に
予約の誕生日ケーキや特注ケーキも作らないといけません。
そんなこんなでそのケーキを作って仕上げていけば17時くらいになります。。。
まあ、普通ならこれで定時ですが=_=
3.夕方からの仕込み、閉店作業も重なり常に残業状態
夕方からの仕込み開始で尚且
皆さんもご存知のようにケーキは作るのが難しいです。
一つのケーキの仕込みは早くても1時間
は必ずかかります。
パティシエは頭をフルに使って
なるべくケーキ在庫を作りながらいきなり全部の種類を仕込まなくて済むように計算していますが
小山さんのお店のような繁盛店は一日で昨日の仕込みケーキが全てなくなる場合もあるので最悪全種類仕込みする場合もあります(デスワーク(TT)(TT)(TT))
閉店作業もしなくてはいけないので、人手も止めないといけません。
私の経験から算出すると
普通のパティスリーでは平均21時終了。
繁盛店では平均22時30分終了。
これが日本のパティスリーでは当たり前に起きている労働環境なんですよね。。。
当然クリスマス、母の日、バレンタイン等の場合はそれ以上に。=_==_==_=
徹夜、家に帰れないなんて事もザラにありました。
ケーキは原価率が高過ぎるのでとにかく売らないと儲けが出ない!!
誤解がないように皆さんに伝えたいのは
好きでいつまでも仕事したいわけでは断じてないです!!
まあ、中には好きすぎていつまでも仕事をするクレイジーな人もいますが一部です。
自分の時間もない、というか飯を食べる時間も寝る時間もなく働いて何が楽しいのでしょうか?
ですよ(TT)
現代のローマ奴隷になります
オーナー様もそれは充分承知してはいますが、ケーキは全体の原価率が約
40パーセント
あるのでとにかく売り残しないように売らないと儲けが出ないんですよ!!*\0/*
(ケーキには他の飲食業界にはない包装資材費用が大きな理由になる)
わかりやすく言えば
10万売ったら4万引かれる感じです=_=
残った6万から光熱費、固定費、人件費も算出しないといけません。
嗜好品なので売れる時に売らないと作ったケーキをゴミ箱に捨てる事になります。。。
焼き菓子以外は日持ちしませんからね。。
雇う側も色んな意味で必死な理由なんですよ。。。┐( ˘_˘)┌
近年ドンドン材料費用が値上がりして更に追い打ちをかけてきます。そして
日本全体で少子化が進み
家族でケーキを囲んで食べる習慣も減り、個人消費の時代になりました。
コロナで経済も下り坂で
イベント時にとにかくケーキを売らないと普段に売れない時代に突入しているんですよね(悲)
こんな状況で人も雇いにくく、少数精鋭で作業するので働く時間がどうしても長くなってしまう、、、、、
パティスリー業界は今やデスループに陥っていますʕ´• ᴥ•̥`ʔ
パティシエは本当にゾンビ化している!!
ではそんな環境で働いているパティシエは無事なんでしょうか?
結論から言うと
廃人の一歩手前です
私が修行時代に一番働いていた時は
朝7時から深夜2時までを何ヶ月も働いていました(༎ຶ ෴ ༎ຶ)
寝る時間が頑張っても4時間くらいしかありません(笑)
昨日なにを食べたのかも本当に思い出せない、、、
寝たのかどうかもわからない状態になります。
風呂に浸かると寝てしまって溺れて死にかけるのでシャワーしか浴びれないですし、手が荒れたり肌が荒れるなんてのは当たり前でした。
腰、腕、肩、足、全てが痛いです(TT)
休みも週一しかない(場合によってはない時もあった)
ので疲れが全然取れないです(+_+)
友達にも会えない、彼女にも会えないので悲しいお別れもパティシエではあるあるです。。。
(まあ、結局職場しか出合いがないのでパティシエ同士で付き合うなんてよくありましたが。私は無理でしたがね=_=だって職場でも顔を合わせまくるなんて嫌ですもん。)
私が激務していたお店で材料業者の方がヒソヒソ話していた内容が
あそこのお店はパティシエがゾンビに見える!
そりゃそうなるわ、、、
と納得しました(笑)
人間働きすぎると目に光がなくなっていくんですよ。
声が張れなくなる、足がふらつく、寝不足で首が上下に動く、眼の下が真っ黒。
正にゾンビ!!!🤖
体力と精神力がない人はどんどん辞めていくのでこの業界は離職率がバカ高いんですよ。
というか普通にヤバイですよね。。
マジでうつ病になる人か入院する人を何人も見てきました😓
令和から先のパティシエ業界の在り方とは
今回の小山さんのお店の労働時間を考えて見ましょう。
本当に月342時間だとしたら
月25日出勤で一日残業13時間以上
定時で8時間労働としたら恐ろしい数字
一日21時間働いている
事になります(ヤバすぎる)
本当に奴隷ですよ。。これじゃあ。。
更に一番パティシエ業界がブラックのブラックのブラックの理由が
残業代が付かない
これですよ。。。=_=
皆さん驚くと思いますが、こんだけ働いても日本のパティシエは月給制なんですよ。
どんだけ残業しようがボランティアです。
というか残業代という概念がありません。
こんだけ働いてもボーナスなんて存在しません(ホテル勤務は別)
小山さんのお店は流石に賞与はありそうですが、残業代までは多分全部は付けてない気がします(+_+)(+_+)
私の若い時からこの業界は
修行させてもらっている授業料と言われて残業代は付かないのが本当に当たり前でした。
しかし、情報が多様化した時代になり
日本のそんな古い考え方は本当に変えないと世界から置いていかれると思っています。
現に書類送検されるパティシエ責任者も出ている事態なんですから、、、
(書類送検された人は私の知ってる人ですね。前に講習会でお会いしました。)
正直、
働く時間を一般的な労働時間に置き換えると
日本の有名なパティスリーのケーキは
半分も作れません
それだけ繊細な仕事です。
日本のケーキは世界的に見ても最高峰なんですが、それは過度な労働からなる点が大きいのも事実です。
今の時代はSNSやネット販売が主流になりつつあります。
そしてシェアの半数以上はネット関係の販売に必ずなります。
私が思い描いているのは
ケーキはほぼ予約販売に移行して店舗販売の種類を今の半分にしていくしかないと考えています。
日本のパティシエの素晴らしい技術が衰退していくのは悲しい事ですが、業界自体を潰すよりはよっぽどいいと思いますね。
地球環境も変わって食材も手に入りにくくなったり、日本の人口も確実に減っていきます。
今回の事例はパティシエ業界に本当の転換期を教えるいい機会かもしれません。
このニュースでパティシエ業界はブラックしかないと思われてしまうのは仕方ないと思いますが
色んな理由があるのを知って頂けたら嬉しく思います(TT)
ケーキには罪はありませんから!!